富士、駿河湾、家康から、模型やおでんまで、多彩な楽しみ
のぞみも止まらず通過してしまう場合も多い静岡市ですが、富士山でも新幹線から見る以外にもいろんな場所から違ったテーストで眺められたり、駿河湾も見て食べて遊べたりと、未体験の楽しみがいっぱいありそうです。じっくり歩くしかなかった江戸時代の人のほうが駿河の国をエンジョイしていたかもしれません。
中央リニア新幹線が開通した後、東海道新幹線と人々の移動速度がふたたびまた少しゆっくりになれば、静岡市をはじめとしたこの地域が今よりもにぎわうかもしれません。
家康を育て、家康に育てられた城下町、そして東海道最大の宿場町
家康が幼少時代から元服するまで今川氏の人質として生活したのがこの駿府。1585年から駿府城の築城を開始、1589年に現在の二の丸以内の部分が完成。さらに江戸から駿府に戻って以降、1608年に本丸御殿完成、1610年に天守が完成。
「遺体は駿河国の久能山に葬り、江戸の増上寺で葬儀を行い、三河国の大樹寺に位牌を納め、一周忌が過ぎて後、下野の日光山に小堂を建てて勧請せよ、関八州の鎮守になろう」との遺言に従い、遺骸を久能山に埋葬し、2代将軍秀忠公の命により久能山東照宮が創建。
その後、秀忠の息子が城主となるが甲府に蟄居を命ぜらて以降は幕末まで城主不在となり城代が置かれました。その間、東海道が整備されると、駿府城下には江戸から数えて十九番の宿場「府中宿」が置かれ、東海道五十三次中最大の都市になります。現在は本丸、二の丸部分が駿府城公園として市民の憩いの場所に。
富士には何でもよく似合う!(松でも街でも道路でも・・・)
静岡県側から富士山を眺める場所として、世界文化遺産「富士山」構成資産でもある三保の松原、あるいは日本平といったところがすぐに思いつきますが、山梨県の御坂峠、神奈川と静岡の県境の乙女峠と並び「富士見三峠」に数えられ、東海道一の絶景とも言われ安藤広重の浮世絵にも描かれた、清水区にある薩埵峠(さったとうげ)もお薦めです。
駿河湾からの眺めならば、清水地区からのフェリー3航路(対岸の伊豆半島まで渡る駿河湾フェリー、清水港内を回遊する富士山清水港クルーズや水上バス)を利用することができます。静岡市からは外れますが、富士市、沼津市、三島市でもまた別の構図や距離感の富士を眺めることができます。
駿河湾からはカラフルな海のめぐみ
冷凍マグロ水揚げ日本一の清水港以外にも、日本一深い駿河湾に面する静岡市では、用宗漁港のシラス、由井港の桜エビが有名(『駿河湾をひもとこう』 -ふじのくにの女将あけぼの会-)海の幸を一番手軽に楽しめるのは、規模も大きくJRや静鉄の駅からも徒歩数分の清水港河岸の市。
食の楽しみは陸からも
静岡県は言わずと知れた茶の都で、茶栽培面積や茶(生葉)収穫量では全国の約40%(平成30年)を占めて第一位。静岡市内でもさまざまな形でお茶を体験することができます。いちご狩りも目玉のひとつで年が明けた冬から春にかけての風物詩となっています。そして静岡の万能ソウルフードである静岡おでん。静岡駅近くにもおでん街があります。
まだまだある静岡市のすごいところ・・・
豊富な森林資源を背景に木工業が盛んだった静岡市は「ホビーのまち」は「模型の世界首都」としてプラモデル全国出荷額の86%を占めており、BANDAIやTAMIYAなど名だたる模型メーカー12社が本社や事務所を構えています。駅近くにはこれらを展示する「ホビースクエア」 があります。また、年に一度「静岡ホビーショー」も開催されています。
また、戦時中の1943年に軍事工場建設の際発見され、教科書でもおなじみの弥生時代の集落・水田遺跡「登呂遺跡」は静岡駅からバスで20分程度と実は以外に気軽に訪問できる場所にあります。住居と高床式倉庫が復元され、水田跡や森林跡も発掘されています。
新幹線だけではない、静岡市への便利なアクセス方法
静鉄の高速バスが都心や関西の各地や羽田・成田の各空港と直接結ばれており、特に東京~清水線の午前中から正午にかけての2本は三保の松原まで3時間ほどで直行してくれます。また、2009年に開港した富士山静岡空港から、札幌、出雲、福岡、北九州、鹿児島、那覇の各都市との間を毎日運航しています。静岡駅までは静鉄バスで50分程度。
フォトギャラリー
静岡駅および静鉄新静岡駅前
駿府城公園
静岡ホビースクエア